ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「風前の灯火(ともしび)」
<意味>
人の命のはかなさのたとえ。また、危険にさらされて今にも滅びてしまいそうな様子のこと。
風が吹きつける所にあって、すぐにでも消えてしまいそうに揺れている灯火の意味から。
「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」
<意味>
夫婦喧嘩はたいていつまらないことが原因で起こり、そのうち仲直りするのが落ちです。なので他人が親身になって心配したり、仲裁したりするのはばかばかしいということ。
たいていのものは食べる犬でさえも、夫婦喧嘩には見向きもしないという意味から。
「夫婦は合わせ物、離れ物」
<意味>
夫婦とはもともと他人が一緒になったもの。なのでちょっとしたことで再び別れてしまうのも不思議でないということ。
「笛吹けども踊らず」
<意味>
あることをさせようと準備を整えてさかんに誘ったり促したりしても、応じる者が居ないということ。
躍らせようといくら笛を吹いても誰も踊らないという意味から。
(出典:新約聖書)
「覆水、盆に返らず」
<意味>
一度離婚してしまった夫婦を再び元に戻すことはできないというたとえ。また、一度してしまったことは二度と取り返しが付かないということ。
「覆水」はこぼれた水。「盆」は酒や水などを入れる容器。一度こぼれた水は、再び元の鉢に戻らないという意味。
「河豚(ふぐ)は食いたし命は惜しし」
<意味>
うまいフグ料理は食べたいけれど、毒に当たって命を落とすのも怖い。いい思いはしたいけれど、隣り合わせの危険やあとのたたりも怖いので、どうしたら良いか迷うということ。
「武士に二言はない」
<意味>
武士は信義と面目を重んじるから、一度口にしたことをたやすく否定してしまうことはない。言ったことに必ず責任を持つということ。また、一度約束したことは必ず守るということ。
{類義語}
「男子の一言金鉄(きんてつ)のごとし」
「武士は相身(あいみ)互い」
<意味>
武士仲間は同じ立場にあるのだから、互いに理解し合って助け合うべきだということ。転じて、同じ立場・境遇にある者同士は、思いやりを持ってお互いに助け合おうということ。
「相身互い」は「相身互身」のこと。同じ立場の者が同情し助け合うことや、そういう間柄の意味。
「武士は食わねど高楊枝(たかようじ)」
<意味>
武士は貧しくて食事ができない時でも、十分に食べたふりをして楊枝を悠然と使い、ひもじさなど微塵(みじん)も見せないこと。武士は貧しくても人には弱みを見せずに、気位を高く持って生きるべきだということ。
{類義語}
「渇しても盗泉の水を飲まず」
「船は帆でもつ、帆は船でもつ」
<意味>
世の中は持ちつ持たれつの関係で、互いに助け合って成り立っているということ。
船は帆があるから走れるし、帆は船がなければその意味がないということから。
「古川に水絶えず」
<意味>
昔からの金持ちは、落ちぶれてしまっても何かしらの財産や宝物が残っているというたとえ。また、立派ないわれのあるものは、衰えても昔の名残をとどめ、滅びてしまうことはないということ。
涸(か)れてしまったように見える古い川でも、細々と水は流れていて絶えることがないという意味から。
「刎頸(ふんけい)の交わり」
<意味>
極めて親しく、堅い交際のたとえ。
「刎頸」は頸(くび)を刎(は)ねること。その友人のためならば、首を刎ねられても後悔しない、それほどの交際という意味から。
ちなみに、この交わりを結ぶ親友を「刎頸の友」と呼びます。
(出典:史記)
{類義語}
「金石の交わり」