ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「落つれば同じ谷川の水」
<意味>
人はさまざまな人生を生きても、いつかはみんな死に、同じように土にかえってしまうということ。
スタートや道は違っていても、行き着くところは同じだというたとえ。
雨やあられや雪などが違う形で降ってきても、谷川へ落ち込めば、みな同じ谷川の水になってしまうことから。
「男は敷居を跨げば(またげば)七人の敵あり」
<意味>
男が世の中に出たら、そこは戦場と同様で、多くの敵や競争相手がいつもまわりにいると心得ておけという教訓。
男が一旦外に出たら、七人の敵がすでに待ち構えているという意味から。
「男は度胸、女は愛嬌」
<意味>
男に大切なものは、ものごとに動じない度胸であり、女に大切なものは、かわいらしい魅力であるということ。
「度胸」と「愛嬌」の「きょう」の語呂合わせで、この後に「坊主はお経」と続けても言います。
「男鰥(やもめ)に蛆(うじ)が湧き、女寡(やもめ)に花が咲く」
<意味>
一人暮らしの男性の生活は不潔になりがちであるのに対し、女性は一人暮らしをしていてもこぎれいな生活をするため、男たちから注目され華やかであるということ。
妻を亡くした男は、世話をしてくれる人が居なくなって、身の周りや家が汚くなります。夫を亡くした女は、自分のことに時間をかけられるようになって身ぎれいになり、男たちにももてはやされ、花が咲いたように華やかになるということ。
「鬼に金棒」
<意味>
ただでさえ強い上に、さらに強力なものが加わること。
強く恐ろしい鬼に、金棒というさらに強力な武器を持たせるという意味から。
「鬼の霍乱(かくらん)」
<意味>
ふだんは丈夫で病気などしたことのない人が、思いがけなく病気にかかること。
「霍乱」は日射病や暑気あたり、古くは急性胃腸病の意味。頑健な鬼が、日射病や暑気あたりなどで患うという意味から。
「鬼の念仏」
<意味>
無慈悲で残忍な心を持った者が、うわべだけ慈悲深げな態度をしたりやさしい言葉を言ったりすること。
また、柄にもなくおとなしそうに殊勝らしくふるまうことを冷やかして言う時にも使います。
恐ろしい鬼が念仏を唱えることから。
「鬼の目にも涙」
<意味>
普段は鬼のように厳しい人でも、たまには情に感じて優しい態度をとり、目に涙を浮かべることもあるということ。
「鬼も十八、番茶も出花」
<意味>
どのような器量の女性でも、年頃になれば誰でも娘らしい魅力が出てくるということ。
鬼の娘でも、十八という年頃になれば、魅力も出て娘らしくなります。質の劣る番茶でも、いれたての出花はよい香りがするという意味から。
{類義語}
「薊(あざみ)の花も一盛り」
「帯に短し、襷(たすき)に長し」
<意味>
中途半端で使い物にならない物事のたとえ。
帯にするには短すぎ、襷にするには長すぎて、結局は使えないという意味から。