ここではアニメ好きの私が毎回、ゲゲゲの鬼太郎を見た感想を書いていきたいと思います。
なお、ネタバレもあるのでご注意を。
今回は・・・
今回は、新たな妖怪は登場しません。人間同士の話です。
ゲゲゲハウスにまなが遊びに来る場面から始まります。
鬼太郎とねこ娘が見ていたものは、本郷周作という舞台演出家からの演劇の招待状。
題名は「アンコールワットの霧の夜」。
本郷は、まなも知っているほどの有名人。
鬼太郎たちは、本郷と52年前にカンボジアのアンコールワットで出会っているそうな。
どんなつながりなのでしょうか?
今から52年前ー。
鬼太郎とねこ娘、ねずみ男は、とある依頼者に会いに、カンボジアに行きます。
その日本人男性は、日本の鎧武者の亡霊に恋人を連れ去られてしまったので取り戻してほしい、と鬼太郎たちに依頼します。
その話を聞いていた新婚の本郷が、
「面白そうな話ですね。アンコールワットの亡霊なんて、芝居の題材にもってこいだ。」
と妻のサラとともに歩み寄ってきます。
鬼太郎が、
「今夜はこの付近から離れた方がいい。」
と忠告するも、本郷は信じない。
さらに依頼者が、4年に1度のうるう年の今夜、鎧武者が若い女性を連れ去る事件がある、と言うも、本郷は、立ち去るつもりはない、と言ってその場から離れて行きました。
ホテルの部屋に戻った本郷が、
「さっきの話、本当に芝居にしたくなってきた」
と言うと、サラは
「よして。アンコールワットの亡霊だなんて気味が悪い…」
と言います。
2人が話していると、ほら貝の音がして、鎧武者の亡霊たちと、その後ろには連れ去られた女性たちが!
驚いてその光景を見ていた本郷は、ふと部屋の中を見回すと、サラが居なくなったことに気づきます。
なんとサラもその亡霊たちの後について行ってしまったのです。
本郷は慌てて鬼太郎のところへ行き、サラを助けてくれるよう懇願します。
本郷も、いざ亡霊が現れてから慌てふためくなんて、カッコワルイ
鎧武者の亡霊たちを追いかけた鬼太郎たちは、鎧武者の大将らしき者がなにやら女性の額に手を当てて一人ずつ確認している姿に遭遇します。
大将は、最後の女性であるサラの額に手を当て、サラが鬼太郎たちの方を指さした時、何かを悟ります。
そして、大将が
「全てが分かった。いずれ望みがかなう」
と言ってその場を去っていきます。
解放された女性たち。
本郷と依頼者はそれぞれ、相手の女性のところへ駆け寄ります。
そして、依頼者の彼女のソリカという女性が
「私、ずっと同じ夢を見ていたの」
と言います。
その夢の内容によると、400年ほど前に、山田長政の息子オインが作った平和な村があったそうな。
オインには、ワランという美しい妹が居ました。
ワランが最近、心配していたのは、隣国の軍勢がこの村に押し寄せて来ること。
オインは、必ずこの村を守ることを約束します。
敵の軍勢が来る当日、急にオインの家来たちが苦しみだしました。
近くにあった井戸に毒が入れられていて、充満していたのでした。
そこへ襲来する敵の軍勢。
「おのれ!」
オインは真っ先に駆け寄ってきた者を斬り捨てました。
しかし、霧の中からはっきりと見えたその者は、なんとオインの妹、ワランでした!
ワランが敵陣から逃げてきていたのを、オインは敵と間違えて斬ってしまったのです。
霧の中とはいえ、区別はつかなかったのかな…
その後、押し寄せる敵に抵抗の術もなくオインたちの村は全滅しました。
これが、ソリカの見た夢の全てでした。
オインは、最愛の妹を自らの手にかけたまま敵に殺され、罪の意識が消えずに亡霊となって400年も霧のアンコールワットをさまよっていたのです。
そして、鬼太郎とまながその話の続きを聞きに、本郷の元へ行きます。
本郷はすっかり年老いて、体の調子も良くないようです。
彼の話によると、あの後、妻のサラが急にアンコールワットの話を舞台化してほしいと言ってきました。
最初は気味悪がっていたサラが豹変したことにとまどいつつも、その熱意に押され、舞台化することになりました。
舞台稽古の時、サラは台本と違う行動を時々していました。
そして、サラたちが亡霊たちにさらわれたちょうど4年後の1972年2月29日、公開されることになりました。
劇中、オインと、ワランが生まれ変わったサラとが出会うシーンで、鬼太郎たちはオインの亡霊を見ます。
そして、その直後にサラは倒れてしまいます。
それを見た本郷は、急いでサラの元に駆け寄り、ねこ娘が救急車を呼びますが、彼女は服毒自殺を図っており、本郷になにかささやいてすぐに息絶えてしまいました。
芝居は最初のその1回で終わってしまい、以後48年間、上演されませんでしたが、ここにきて本郷が上演する気になったのは、サラの最期の言葉が引っ掛かっていたためでした。
「霧の夜、思い出して…」
その答えを見つけるために。
彼は話し中にも何度も咳き込み、末期の肺がんであることを告白します。
それでも、この舞台だけはどうしてもやりたいとゆずりません。
無事に舞台が終わりましたが、本郷は、
「結局、答えがみつからなかった」
とつぶやきます。
「なぜ妻は死ななければならなかったんだ!教えてくれ」
その時、1個の霊がまなに乗り移ります。
そしてまなは本郷の前たち、
「あなたの苦しみはもう終わったのよ」
と話しかけます。
そう、まなに乗り移ったのはサラの霊。
本郷はサラに、自ら命を絶った理由を聞くと、サラは、本郷が400年前に起こした過ちのせいであると説明。
本郷は400年前、ワランの恋人であるケムラとして生きていました。
そしてケムラとワランは、村が襲われる直前に会っていました。
ケムラは、敵国の将軍と密約を交わし、村の井戸に毒を入れたと言います。
それと引き換えにワランの命だけを救うよう頼んでいたのです。
それを聞いたワランは、
「この裏切り者!何度生まれ変わったとしてもあなたを許さない」
と言い捨てて兄の元へ行くのでした。
そしてその結果、最愛の兄に斬られてしまいました…
ワランの生まれ変わりはサラだったのです。
そして、サラが死に際に本郷にささやいたのは、
「裏切りの夜を思い出して」
であったことに本郷は気づきました。
「全ては私の前世の罪。許してくれ、サラ」
とうなだれる本郷の手を取り、サラは
「言ったでしょ。もう苦しみは終わったって。私はあなたと出会えて本当に幸せだった」
と言います。
その瞬間、本郷の目には涙があふれ、そのまま息を引き取りました。
そして、鬼太郎とまなは劇場から出て、鎧武者の後についていくサラと本郷を見ました。
まなはつぶやきます。
「愛の力が憎しみを消したんだよ」
なんか、鬼太郎とは違う物語のようでした…