ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「鶏口となるも牛後となるなかれ」
<意味>
たとえ小さな組織であっても、そのトップになる方が、大きな組織の末端にいるよりも良いということ。
「鶏口」は鶏の口のことで、小さな組織の長のたとえ。
「牛後」は牛の尻のことで、巨大な組織につき従って使われる者のたとえ。
略して「鶏口牛後」とも言います。
(出典:史記)
「芸術は長く、人生は短し」
<意味>
人間の命は限りがあって短いけれども、優れた芸術作品は作者の死後も長く残って人々に影響を及ぼすということ。
古代ギリシャの医師ヒポクラテスの言葉「医術を極めるには長い年月がかかるが、人の一生は短い」から転じたもの。
「兄(けい)たり難く、弟(てい)たり難し」
<意味>
二者のどちらが勝り、劣るかの定めがつきにくいこと。
優劣をつけるのが難しいこと。
一方が上位である兄とすることも難しく、一方を下位になる弟とすることも難しいという意味から。
(出典:世説新語)
{類義語}
「伯仲の間」
「芸は身を助ける」
<意味>
習い覚えた芸や技術があれば、それで身を立てることもできるし、万一の時には生計の助けにもなるということ。
「桂馬の高上り」
<意味>
勢いあまって軽はずみな行動をすると、弱いはずの者にやられてしまうこと。
また、相応の実力もないのに高い地位につくこと、高い地位について失敗すること。
将棋を指す時に言う言葉で、桂馬は変則的に前の駒を飛び越えて進むことができるけれども、むやみに進むと身動きができなくなって、歩などのえじきになってしまうことから。
人は身分不相応の出世をすると、とかく失敗をする恐れがあるということ。
「怪我の功名」
<意味>
誤ってやったことが、思いがけない良い結果につながるということ。
また、なにげなくやったことが偶然に好結果をもたらすこと。
「怪我」は過失・失敗のこと。失敗が生んだ手柄という意味。
「下戸(げこ)の建てたる倉もなし」
<意味>
下戸が酒を飲まないからといって、酒代を貯めて倉を建てたという話は聞いたことがない。酒を飲もうが飲むまいが、財産を残すことと飲酒とは関係ないということ。
「下戸」は酒を飲めない人。上戸(じょうご)(酒飲み)が下戸をばかにして言う言葉。
これに対して下戸は「上戸のつぶした倉はある」と返します。
「毛を吹いて疵(きず)を求む」
<意味>
人のささいな欠点を無理やりに探し出すこと。また、そうしているうちにかえって自分の欠点をさらけ出してしまうこと。
髪の毛を吹き分けて、隠れている小さな傷を探し求めるという意味から。
(出典:韓非子)
「賢者ひだるし、伊達寒し」
<意味>
世間並みのことをしない者は辛い目にあうこと。
やせ我慢や見栄を張る者の愚かさを笑う言葉。
賢者は営利を求めたり人と妥協したりしないから、いつも貧乏でひもじい思いをしがちで、粋(いき)を重んじる伊達者は見栄を張って薄着でいるから、寒い思いをするという意味から。
「犬馬の養い」
<意味>
親をただ養うばかりで、尊敬する気持ちが全くないこと。
親を養うのに、ただ衣服や食べ物など必要なものを与えるだけで、まるで犬や馬を養うのと同じだという意味から。
(出典:論語)