ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「釘の裏を返す」
<意味>
間違いのないように念には念を入れること。
打った釘の裏に出た先端を曲げて叩くと釘が抜けにくくなることから。
「愚公、山を移す」
<意味>
忍耐強く努力し続ければ、何事もきっと成し遂げられるということ。
中国の愚公という90歳になる老人が、自分の家の前にある2つの険しい山が家の出入りに邪魔なので、山を削って他所へ移そうと決意。
「自分が死んでも子孫が引き継いで続ければ、いつか必ずできる」と、老いの身ながら実行し始めました。
その熱意に感動した天帝が山を移してやったという故事から。
(出典:列子)
「臭いものに蓋をする」
<意味>
不正なことや都合の悪いことなどを、人に知られないように一時しのぎの手段を用いて隠すこと。
悪臭が外に漏れないよう容器の蓋を閉めるという意味から。
「腐っても鯛」
<意味>
本当に優れたものは、盛りが過ぎてもそれなりの値打ちを失わないこと。
鯛は日本の魚の王様であるから、少々腐っても鯛は鯛で、やはりそれなりの価値はあることから。
⇔[対義語]
「麒麟も老いては駑馬に劣る」
「口自慢の仕事下手」
<意味>
口先ばかり達者でうまいことを言うが、仕事の方はたいしてできないこと。口で言う割には手の方が動かないこと。
{類義語}
「口叩きの手足らず」
「口に蜜あり、腹に剣あり」
<意味>
口ではうまいことを言いながら、心の中では陰険なことを考えているということ。
蜜のように甘い言葉を口にしながら、腹の中には人を殺す剣を持っているという意味。
中国・唐の玄宗皇帝の宰相、李林甫(りりんぽ)の人柄を表した言葉から。
(出典:唐書)
「口は禍(わざわい)の門」
<意味>
不用意に言った言葉はあとで災いを招くので、ものを言う時には気をつけるようにとの戒め。
門は「かど」とも読みます。
{類義語}
「病は口より入り禍は口より出ず」「雉も鳴かずば撃たれまい」
「口も八丁、手も八丁」
<意味>
しゃべることも仕事をするのも人一倍達者であること。
八丁は達者、巧みという意味。「口八丁手八丁」とも言います。
「苦肉の策」
<意味>
悩みぬいた末に出した策。苦しまぎれに考えた策略のこと。
苦肉は、敵を欺くために自分の肉(身)を苦しめるという意味。
「苦肉の計」とも言います。
「国破れて山河あり」
<意味>
戦争で国は滅びてしまったけれど、自然の山や河は昔のままで存在しているということ。
世の中のはかなさと永遠に変わらない自然とを対比した、杜甫(とほ)の詩「春望」の冒頭の句。