ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「贔屓(ひいき)の引き倒し」
<意味>
贔屓が度を越えてかえってその人に迷惑をかけてしまうこと。
気に入って引き立てている者を、より引き立てようと力を入れ過ぎて、結果的に引き倒してしまうという意味から。
「光るほど鳴らぬ」
<意味>
口うるさい人に限って、それほど怖くないということ。また、口では偉そうに言っている者に限って、たいした技量は持ち合わせていないということ。
すさまじい稲妻の割には、雷鳴は小さいという意味から。
「引かれ者の小唄」
<意味>
何かに失敗して内心ではびくびくしている者が、負け惜しみで強がりを言い、わざと平気なふりをして見せるということ。
「引かれ者」とは、江戸時代、裸馬に引かれて刑場に連れていかれる罪人のことを言いました。引かれ者が平静を装い、虚勢を張って小唄をくちずさんだことから。
「低き所に水溜まる」
<意味>
物事は条件が整っているところへと集中するものであるということ。また、利益のあるものに人は自然と集まるということ。
低い所に水が流れ込んで溜まるという意味から。
「日暮れて道遠し」
<意味>
年老いてしまったのに、まだ目的が達成されていないことのたとえ。また、期限が迫っているのに仕事が思うように進まず、とうてい終わりそうにないということ。
日が暮れてしまったのに、目的地までの道のりはまだはるかにあるという意味から。
(出典:史記)
「卑下も自慢のうち」
<意味>
表面はいかにも謙遜したふうでありながらも、実は人をうらやましがらせることを意識しながら話す様子。必要以上にへりくだることは自慢の一種であるということ。
「顰(ひそみ)に倣う」
<意味>
ことの善し悪しを考えずに、やたらに他人の真似をすること。また、自分が他人の言動を真似ることを謙遜しても言います。
「顰」は眉間にしわを寄せること。中国・越の西施(せいし)という美人が、胸を病んで辛そうに顔をしかめている様子が一段と美しいのを見て、村の娘たちがみな胸を押さえ、眉間にしわを寄せる表情をしたという故事から。
(出典:荘子)
「尾大、掉(ふる)わず」
<意味>
下の者に力量がありすぎると、上の者は下の者を御しにくくなるということ。また、臣下の勢力が強大になって、君主の自由にならなくなるということ。
動物の尾が体に比べて大きいと自分の力で自由に尾を動かせないことから。
(出典:春秋左氏伝)
「匹夫(ひっぷ)の勇」
<意味>
深く考えずに、ただ腕力に頼るだけの勇気。血気にはやってむやみに強がること。
「匹夫」は身分の低い男、教養のない男のこと。
(出典:孟子)
「人衆(おお)ければ天に勝つ」
<意味>
人が多く威勢の良い時は、道理に合わないことをしても一時的には天の理に勝つこともあるということ。しかし、それに対してはやがて天罰が下ります。
「衆ければ」は「多ければ」の意味。大勢の力が強大な時は、天が示す道理に逆らってもそれが通るということから。
(出典:史記)