ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「快刀、乱麻を断つ」
<意味>
どうにもならない込み入った問題などを鮮やかに処理し、解決すること。
「快刀」はよく切れる刀、「乱麻」はもつれた麻糸です。
もつれた麻糸を切れ味の良い刀でスパっと断ち切るという意味から。
略して「快刀乱麻」とも言います。
「隗(かい)より始めよ」
<意味>
大きな事業を始めようとする時には、まず手近なことから手をつけるのが良い、ということ。
また、何事も言い出した人から実行すべきであるという意味にも使われます。
中国・戦国時代、燕(えん)の昭王が、国の再興のために人材を集める方法を郭隗(かくかい)という人物に尋ねたところ、「まず、この私を優遇してみてください。隗のような人物でも重く用いるとなれば、私以上の優秀な人材が伝え聞いて、たくさん集まってくるでしょう」と答えた故事から。
「まず隗よりはじめよ」とも言います。
(出典:戦国策)
「蝸牛(かぎゅう)、角上の争い」
<意味>
極めて狭い世界での争い、つまらない小さなことで争うことのたとえ。
蝸牛はかたつむりのこと。蝸牛の左の角に国を持つ触氏と右の角に国を持つ蛮氏とが、ある時領地を争ったという寓話から。
「蝸角の争い」とも言います。
(出典:荘子(そうじ))
「駆け馬に鞭」
<意味>
勢いづいているものにさらに力を加えて、よりいっそう勢いづかせること。
走っている馬に鞭を打って、さらに速く走らせるという意味から。
{類義語}
「火に油を注ぐ」
「影の形に随(したが)うが如(ごと)し」
<意味>
影が付いているように、いつも一緒で離れない様子。
「影の形に付き添うが如し」とも言います。
{類義語}
「形影相伴う」
「火事の後の釘拾い」
<意味>
大損や大きな浪費をした後で小さな節約をしても、なんの足しにもならないということ。
火事で大事な家や家具を焼失してしまった後で、残った焼け釘を拾ってもなんにもならないことから。
「火事のあとの火の用心」
<意味>
火事を出してしまってから火の用心をしてもなんにもならない。
何事も、時機に間に合わなければ役に立たないから、前もって用心や準備をせよ、ということ。
{類義語}
「葬礼帰りの医者話」
⇔[対義語]
「暮れぬ先の提灯(ちょうちん)」
「貸したものは忘れぬが、借りたものは忘れる」
<意味>
人は貸したものは忘れないが、自分が人から借りたものは忘れやすい。
人間は身勝手なものだということ。
「数をいうまい羽織の紐」
<意味>
おしゃべりは慎んだ方が良いという戒め。
「数を言うまい羽織の紐よ、固く結んで胸に置く」という俗謡から。
「稼ぐに追いつく貧乏なし」
<意味>
仕事に精を出してよく働けば、貧乏で困ることはないということ。
一生懸命に働いて稼いでいれば、貧乏神が追いかけてきても、追いつかれることはないという意味から。