ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「身から出た錆(さび)」
<意味>
自分自身の犯した過ちが原因で不幸な目に遭うこと。自分が悪いことをしたことの報いとしてわざわいを受け苦しむたとえ。
刀身自体から生じて刀身から腐らせる錆の意味から。刀身の「身」と自分自身の「身」とをかけていったもの。
「見ざる聞かざる言わざる」
<意味>
人の欠点や過ち、また自分にとって都合の悪いことは、見ない、聞かない、言わないようにするということ。
目・耳・口をそれぞれ両手でふさいだ三匹の猿で知られる「三猿(さんえん)」にかけたもの。「…ない」の意味の「…ざる」と猿とをかけた言葉。
「水清ければ魚棲まず」
<意味>
人もあまりに清廉潔白・品行方正すぎると、かえって人から敬遠され、孤立してしまうということ。
水があまりに澄んでいると、魚は隠れる場所もえさもないので、そこには棲まないという意味から。
(出典:孔子家語(こうしけご))
「水の低きに就くが如し」
<意味>
物事の成り行きとして、自然にそうなるということ。徳のある君主に民が自然になびくことのたとえ。
水が低い方へ流れるようなものだということ。
(出典:孟子)
「見ての極楽、住んでの地獄」
<意味>
端から眺めているのと実際に経験するのとでは、あまりに大きな違いがあるということ。
見ていると極楽に見えるけれど、実際にそこに住んでみると、まるで地獄だという意味から。
「源(みなもと)清ければ流れ清し」
<意味>
大本(おおもと)が正しければ、その末端もまた正しくなるということ。また、上に立つ者が汚れなく正しく生きていけば、下の者も自然に正しく生きるということのたとえ。
川は源流が清く澄んでいれば、下流の水も自然に清らかになるという意味から。
(出典:荀子(じゅんし))
「実るほど頭の下がる稲穂かな」
<意味>
人間は、学問や徳が深まるとおのずと謙虚になってくるということ。
稲穂は実が熟すと重くなって穂先が垂れ下がってくる、つまり頭が下がってくることから。
「見るは法楽」
<意味>
いろいろなものを見るのは楽しみだということ。また、見て楽しむのは無料だから大いに見ていけということ。
「法楽」は供養のために仏前で奏する音楽や経のこと。転じて、慰み・楽しみの意味。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
<意味>
物事は、我が身を犠牲にする覚悟があってこそはじめて、成し遂げることができるということ。
溺れかけた時、思い切って体を水にゆだねてしまえば、体が浮いて浅瀬に立つこともあるの意味から。窮地に陥った時、自分の命を捨てたつもりになって思い切ってやれば、活路を見いだすことができるということ。