ことわざには故人の知恵や教訓が詰まっており、現代の日常生活やビジネスなどにも役立ちます。
そんなことわざの主なものを、50音順に紹介していきます。
目次
「喪家(そうか)の狗(いぬ)」
<意味>
やせ衰えて元気のない人のたとえ。また、「喪」を「失う」の意味として、家のない犬、即ち野良犬の意味とする場合もあります。
「喪家」は喪中にある家。「狗」は犬。喪中にある家の人は、悲しみのあまり飼い犬に餌をやることも忘れてしまい、犬はやせ衰えているという意味。
弟子とはぐれて一人たたずんでいた孔子を見て、ある人が「まるで喪家の犬のようだ」と言ったという故事から。
(出典:孔子家語)
「創業は易く、守成は難し」
<意味>
新しく事業を始めることに比べると、でき上がった事業を受け継いで守っていくことの方が難しいということ。
「創業」は新しく事業を始める、または国の基礎を固めること。「守成」はできたものを堅実に長く守っていくこと。
中国・唐の太宗が「創業と守成のどちらが難しいと思うか」と問うた時に、魏徴が「守成」と答えたという故事から。
(出典:唐書)
「糟糠(そうこう)の妻」
<意味>
貧乏な時から苦労を共にして長年連れ添ってきた妻。
「糟糠」は糟(さけかす)と糠(ぬか)。粗末な食べ物という意味。
(出典:後漢書)
「宋襄の仁」
<意味>
不必要な哀れみを施したがためにひどい目にあうこと。
中国の戦国時代、宋が大国の楚と戦う時、楚がまだ陣形を整えていませんでした。宋の襄公は公子の目夷から、今が攻め時と進言されましたがこれを拒否しました。襄公が言うには、「君子は人の困難につけこんで苦しめたりはしない」と。
結局、準備を整えた楚が宋を破って襄公は負傷し、その怪我がもとで息を引き取ってしまいました。
「俎上の魚」
<意味>
運命が尽きて死を待つ以外にない状態。また、相手の思うままになるより仕方のない状態にあること。
俎(まないた)の上に乗せられて料理されるのを待つ魚の意味から。
「袖すり合うも他生の縁」
<意味>
見知らぬ人と道で袖をすり合わせるというのも、それは前世からの深い因縁によるものであるということ。人と人の出会いは単なる偶然ではないので、どんな出会いでも大切にせよということ。
「他生の縁」は前世からの因縁の意味。「他生」は「多生」とも書きます。
{類義語}
「躓く石も縁の端」
「備えあれば憂いなし」
<意味>
普段からいざという時のために準備しておけば、万一の時にも心配することはないということ。
(出典:書経)
「その手は桑名の焼き蛤」
<意味>
うまいことを言っても、その手は食わないということ。
「食わない」と三重県の桑名をかけ、桑名の名産「焼き蛤」を続けたしゃれ。
「損して得取れ」
<意味>
一時的には損をすることになっても、その損によって将来大きな利益を得る方が良いということ。